2013 in 秋葉原

あれはそう、大好きなGLAYのライブを見るために、埼玉へ遠征したときの話である。

 5月の3,5,6日と、変則的な3DAYSでさいたまスーパーアリーナにてライブが行われた。

自分は3日と5日のチケットが手に入ったため、4日が丸々1日空くことになった。

そこで、「これまで行ったことがないところへ行ってみよう!」と思い、前々から興味のあった、秋葉原へ行くことにした。

その選択がすべての始まりであることを、この時はまだ知らなかった…。

 

ライブを楽しんだ翌日の朝、ホテルのある蕨駅から電車で秋葉原へ向かう。

駅を降りたあと、まずは地下道へ向かい、展示販売されているフィギュアのクオリティーの高さに感動しつつ、地上へと戻る。

その後、萌え萌えじゃんけんの声を聞いたり、客引のメイドさんを眺めたりしつつ、『アキバ』の空気を感じながらさまよっていた。

そして、忘れもしない出来事がやってくるのである…。

 

「そろそろ昼飯時だし、次はお台場にでも行きますか。」と思いながら駅へ向かっている道中、お姉さんにパンフレットを手渡された。

「展示会でもやってるのかな。」と思いながらお姉さんについていくと、ギャラリーへとたどり着いた。

そこではラッセンのような華やかな絵や、落ち着いた大人の雰囲気が漂う絵など、多くの絵画が展示されていた。

それを眺めているとお姉さんから、「ちなみに買うとしたらどの絵がいいですか?」と聞かれる。

そう、展示会のお誘いではなく、絵画を買わせようと声をかけてきたのだ。

「おいおい、なんだかおかしな雰囲気になってきたぞ…。」と思いつつ、自分の軽率さを思い知らされることとなった。

 

その後は、「いかにしてこの場から逃げ出すか」ということを必死に考えていた。

対してお姉さんは「初心者なのにあの絵を選ぶなんて、あの客は一体何者だ!?てみんな驚いてます。」とか、

「私、人見知りだけどお兄さんはとっても話しやすいです。」などと言葉をかけ、揺さぶりをかけてくる。

その間に、75万円だった絵画の値段がどんどん下がっていき、気が付くと35万円まで値段が下がっていた。

しかし、どれだけ値段を下げられても首を縦には振らず、何とかその場から脱出することができた。

あの時の解放感と、「東京怖い…。」という思いは、きっと忘れることはないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時に買わされた3万円の絵は、思い出の品として部屋の片隅に、プチプチを巻かれたまま放置されている。