白鳥とともに

私は新潟県の、柏崎市で生活している。

リオ五輪水球日本代表へ、4人の選手を送り出したブルボンウォーターポロクラブがあるのも、柏崎市である。

そんな土地で暮らす私の趣味は、アルビレックス新潟の試合を観戦することだ。

 

高校生のころから、何度か家族でアルビの試合を見に、ビッグスワンへと足を運んでいた。

その後社会人となり、少ないながらも収入を得られるようになってから、「自分で車を走らせて、試合を見に行きたい。」という気持ちが少しずつ生まれてきた。

そして社会人2年目を迎えた2012年。

ついに1人でアルビ観戦へと繰り出した。

その時の相手は浦和レッズで、たしか観客は3万人を超えていたはずだ。

はるか彼方から聞こえてくるサポーターの声に感動し、鳥肌を立てながらスタジアムへと向かっていったのを今でも覚えている。

その試合は0-0のスコアレスドローだった。

興奮しながら父へ電話をしたところ、若干引かれてしまったのも、今ではいい思い出だ。

 

その後も何度かスタジアムへ足を運んだが、そのたびにアルビは負けていた。

そしてその年は2012年。

そう、奇跡の残留を果たしたあの年だ。

最終節の札幌戦。

見に行きたかったのだが、自分が見に行ったがために負けてしまい降格となってしまっては申し訳ないと思い、グッとこらえて、自宅で観戦した。

そしてあの奇跡の残留。

勝ったのに「行かなくてよかった。」と思ったのは、後にも先にもあの試合だけである。

しかし、その後も私が見に行くとアルビは負け続けた。

それも、前半だけでイエロー2枚で退場とか、

クリアしようとしてDF同士がお互いの頭をヘディングしてそのまま負傷退場とか、

あまりお目にかかれないような事件が巻き起こる。

家族から「お前、見に行かないほうがいいんじゃないの?」と言われながら、それでもスタジアムへ向かい続けた。

そしてついに、スタジアムで勝利の瞬間に立ち会うことになる。

2013年の川崎戦だ。

その試合は大久保にミドルを叩き込まれ、先制点を許した。

後半の立ち上がりにも、同じような位置からミドルを打たれ、負けを覚悟した。

しかしその後、その年の得点ランク2位になる川又の同点ゴールが決まり、

そのすぐ後に、岡本のゴールで逆転、そのまま勝ち点3をもぎ取った。

逆転ゴールが決まった瞬間、少し目が潤んでしまったことは、きっと忘れることはないだろう。

それからは、勝つこともあれば、負けや引き分けのこともあり…、といった状態が続いている(ちなみにナビスコカップは全勝)。

 

今、アルビは苦しい状況が続いている。

正直、見に行くのをためらってしまう自分がいる。

しかし、チーム苦しい時こそ、ファンやサポーターの力が必要なのだとも思う。

みんなでまた、笑顔でバンザイができるように。

そして、また来年もJ1の舞台で試合が見られるように。

そのために少しでも支えになれれば、と思う。